2012年頃から『産後クライシス』という言葉が聞かれるようになりました。
「産後クライシス」とは、出産後から2~3年ほどの間に、夫婦仲が悪化するという現象を指します。
「熟年離婚」のきっかけも、この「産後」にあると言われていたりします。
上の図の通り、妊娠期には「配偶者といると、本当に愛していると実感する」割合は、夫も妻 も74.3%と高く、その差はありません。
しかし、出産後は、妻も夫も「相手を本当に愛していると実感する」割合は大きく減少していきます。
特に、妻はその減少が著しく、子どもが0歳のときは、45.5%、1歳で36.8%、2歳では34.0% と、急激に減っていきます。
これが「産後クライシス」です。 では、この「産後クライシス」を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?
「妻の愛情が下がった夫婦」と「妻の愛情が下がらなかった夫婦」を比べてみると、
「夫は家族と一緒に過ごす時間を努力して作っている」「夫は私の仕事、家事、子育てをよくねぎらってくれる」
と感じている妻の方が、愛情が下がらないということがわかります。
夫が家族と一緒に過ごすように努力すること、そして、妻の家事や育児・仕事をねぎらうことは、
妻が夫への愛情を保つために非常に重要だということです。
特に、子どもが小さいうちは、男性は30代40代の働き盛りです。
なかなか子育てに関われないからこそ、妻へのねぎらいや感謝の言葉をこまめに贈ることが、
妻の愛情低下を防ぐ鍵になるのだと思います。
一方、こんな調査結果もあります。
東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜(あつみなおき)さんが、
かつて「女性の愛情曲線」について、調査されたものです。
この調査は、女性たちにライフステージごとに愛情の配分先の変化を回答してもらったものです。
結婚直後、愛情の配分先のトップは夫です。
そして、妊娠・出産を経て、かつて夫へ注がれていた愛情は、子どもへ注がれるようになります。
そんな中で、出産直後から、女性の愛情が夫へと徐々に回復していくグループと、低迷し続けるグループに分かれるのです。
夫への愛情が回復したグループは、大変な乳幼児期に、「夫と2人で子育てした」女性たちでした。
反対に、「私1人で子育てした」女性たちの夫への愛情は低迷し続けたそうです。
ポイントは、女性に「一緒に子育てした」と思ってもらうこと、そういう実感を持ってもらうことです。
男性が、「自分も子育てをした」と思うことではありません。 あくまで、主体は、女性(=妻)です。
そこで大事になるのが、先にご紹介した『愛を伝える5つの方法』です。
問題解決志向の強い男性は、女性に愛を伝えようと思って、「サービス行為」をしてしまいがちです。
それで、「愛を伝えた」つもりになってしまいます。
しかし、共感欲求が高い女性の多くは、実は、「何かをしてもらうこと」よりも、
「一緒に時を重ねること」を求めているのです。 (もちろん、あくまで多くの場合の話であって、それがすべてではありませんが。)
そんな男女の脳の違いを、書き記した本も、たくさん出ています。
あくまでも、一般論として、「違いがある」ということを認識することは非常に重要です。
我が家でも、こういった学びを通じて、お互いの違いを認識したことから、
お互いに心地よく 生きる術を学んで、実践し、確実に快適に過ごせるようになったという経験があります。
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